2016/12/22
ニュープロダクツ
サイボウズスタートアップス株式会社(本社:東京都港区)は21日、大規模組織の子会社などに部門管理者を配置し、5万人規模での運用を想定した「安否確認サービス2」を提供開始すると発表した。
組織が大きくなると、安否確認などのシステム導入時にアクセス権の設定がネックだったが、子会社や各事業部の責任者が利用ユーザーのメンテナンスを行うことができるようになる。2017年3月末日まで無料で試すことができるキャンペーンも受け付けている。
緊急時の責任者となる「危機管理責任者」を子会社に設置し、親会社の管理者主導による全体訓練だけでなく、各子会社の中だけで個別に訓練や実際の緊急連絡を行うことができる。全体での訓練しかできないとなると日程の調整などが難しく、訓練の頻度が極端に落ちるケースなどがあったが、部門危機管理責任者の権限で、自社範囲でのみの訓練をいつでも行うことができる。
緊急時には、各子会社で集計をした安否確認を、親会社では一括管理、各子会社では自分の組織のみ確認することが可能だ。
また、人事採用活動の際には、親子会社の関係の場合でも採用権は子会社が持っていて、独自に採用活動を行っている場合が多い。今回のサービス提供では、子会社が人事/ユーザー情報などを更新できるので、親会社の管理者がユーザーデータを収集する必要がなくなる。
従来のシステムは「部門システム管理者」のような機能がなく、やむを得ず子会社の管理者にシステム全体の権限を与え人事情報を管理させている場合があり、適切でない範囲の情報閲覧権限を持つことになっていた。グループ会社であっても適切な範囲の閲覧/編集権限を持たせることができない状況は、もともと災害対策でのBCPを考えているはずが、情報漏えいという別のリスクを企業に突きつけていた。
安否確認サービスの最大の特長とも言える、コミュニケーション機能も継承されている。子会社のアクセス権を細かく設定できるので、大企業でも密なコミュニケーションを適切な範囲で行うことが可能。緊急時、従業員に一斉送信するだけでは不十分で、全体連絡のための掲示板や、個別連絡のためのメッセージを活用することで、単なる安否確認だけでなく、対策指示まで行うことができる。これまで同様、中小企業の顧客も利用でき、数万規模のエンタープライズ企業にも対応する。
安否確認サービスは、2011年12月に提供を始めて以来、約500社、20万ユーザーが契約する規模に拡大してきた。これまで4000名規模までの組織に安否確認サービスを提供してきたが、大規模ユーザーからの問い合わせが増え、今回の提供となった。
(了)
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方