学校トイレの5K(臭い、汚い、怖い、暗い、壊れている)を払拭し、明るく快適なトイレへの改善に向けた研究・啓発活動を継続している「学校のトイレ研究会」(事務局:東京都港区 TOTO株式社内)は、熊本地震の被災地で学校や体育館など避難所6カ所で生活をしている101人を対象に、7月13から15日にかけてアンケート調査を行い、5日に結果を発表した。

「地震直後に避難所で不便に思ったことは?」の設問に、食事や衣類、冷暖房などを大きく引き離して、第1位が「トイレ」(67%)、第2位が「入浴・シャワー」(63%)となった。続いて「洗濯」「食事」がそれぞれ32%、「寝具」が23%、冷暖房が22%、衣類が21%、テレビ等情報機器が20%となっている。

「避難所の常設トイレの設備面で困ったことは?」の設問では、第1位が「和式便器が多い」(36%)、第2位が「温水洗浄便座がない」(28%)となった。第3位は「床が濡れていることが多い」(25%)で、以下「照明が暗い」(20%)、「手すりがない」(15%)、「段差がある」(14%)、「車いす対応トイレがない」(10%)と続いている。

避難所のトイレのほとんどが和式主体で、洋式便器は長蛇の列だったため、長期避難者の大半を占める高齢者から「和式便器が使えない、不便」という声があがった。入浴・シャワーができないことから温水洗浄便座を求める意見も多くあった。学校など避難場になり得る施設では、トイレの洋式化が急務であることがあらためて確認された。

学校のトイレ研究会は発足から20年を迎え、これまで培った研究知見を一冊にまとめた総集編「学校トイレノウハウブック」を発行。誌面では、熊本での調査結果も緊急報告として掲載していて、同会ホームページから取り寄せができる。

また同ホームページでは、「学校のトイレ研究誌2016 号外」として、熊本の人々の生の声をはじめ、次々と不足の事態が起こる中、協力して乗り越えていった現場の尽力を報告している。

「学校のトイレ研究会」ホームページ
http://www.school-toilet.jp/

(了)