アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
猛暑日!熱帯夜!暑さが続く・・なんて聞くと、週末は海や川にお出かけという人も多くなりますね。
そんな水遊びに水をさすのも、水に水で???ですが、水辺の事故で、毎年どれだけの命が失われているかご存知ですか?
警察庁によると、昨年度の死者・行方不明者数は791名。うち15歳以下は、53名にも及びます。
警察庁「平成27年における水難の概況」
http://www.npa.go.jp/safetylife/chiiki/h27_suinan.pdf
私、思わず「川でケガをした人も含む水難事故全体数の間違いかな?」と見直してしまいました。でも、「死者、行方不明者数」で間違いありませんでした。
イメージよりずっと多くないですか?しかも、これ、昨年だけの傾向ではありません。毎年だいたいこんな数字です。
少子化と言っていますが、年間50名のこどもの命が失われているなんて!災害で1度に791人も亡くなったら、世界を駆け抜ける大ニュースですよね。なのになぜ毎年、死者を減らせないのでしょう?
その要因について思い当たるところがあります。ここの理解が薄いから災害対策が間違っていると感じていた事例があるのですが、水辺の事故も同じ要因ではないかとにらんでいます。
その要因とは・・・
「水辺」とひとくくりにされてしまって、川と海の違いが理解されていないことです。
「水辺の事故が増えています。そこで、こんな対策を専門家に聞きました!」という報道を、今年も目にしました。そして、海と川を一緒にしているものが多いのです。
でも、全然違いますよ。海のアドバイスは川に使えません。
決定的に違うのは、海水は、比重が1,023であることです。水の1よりも重たいため、人が浮かびやすいのです。
これに対し、川は、水の比重は1なのですが、場所によっては、空気がたくさんはいって泡だっている場所があります。専門用語でホワイトウォーターと呼ばれる空気含有量が40〜60%程度ある場所です。そこでは、軽い空気が入っているため、比重が1よりも小さくなります。水が軽くなってしまうため、人が相対的に重たくなりますから、人は沈みます。
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