ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
米国で開発された、消防士による消防士のための「FD(Firefighter Down)-CPR」
もし、現場で仲間の隊員が心肺停止に陥ったらどうする?
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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こんにちは。サニーカミヤです。このコラムでは、これから日本の消防関係の皆さんに海外の最新の消防事情をお伝えしたいと思います。
さて、アメリカ国内では残念なことに2014年度中91名の消防士が消防活動中に殉職されました
その原因は現場特性によって、また、常備、非常備消防士、民間消防によって違いますが、一般的な殉職事故内容は、「火災現場での建物倒壊事故による消防士の閉じ込め事故」、「活動時間と退出時間による残圧の計算ミス」、「必要以上の筋肉増強や肥満」、「空気呼吸器のメンテナンス不足」、「現場経験不足」、「訓練不足」などとされています。
■アメリカ国内の消防殉職者数
https://www.usfa.fema.gov/downloads/pdf/publications/ff_fat14.pdf
殉職に至らなくても、活動時間と退出時間を見極めきれず、空気呼吸器の残圧を消費したために黒煙の中で窒息してしまい、仲間から運び出されてCPR(心肺蘇生)を受けて蘇生したり、蘇生しても、業務に復帰できない状態になったりした消防士もいます。
そのような反省を受けて、大切な仲間をお互いに守るために、ノースカロライナ州のレランド ボランティア消防局では、2014年に「FD-CPR」(FD=「Firefighter Down」=倒れた消防士のこと)という10段階のステップを作りました。その内容を動画公開したところ大変話題となり、現在では全米の消防局の訓練に取り入れられています。
こちらがその動画です。
いかがでしたか?これからステップごとに解説していきます。
FD-CPRの目的は、消防士が消火活動中、フル装備(空気呼吸器着装状態)で心肺停止状態になった際(要救助隊員)、仲間同士でどうやって要救助隊員のフル装備を解き、CPRできる体制にして、有効な救急処置を行うか?を具体的にしたものです。
■↓FD-CPRマニュアル:ステップ毎の動画マニュアル
http://fd-cpr.com/steps.html
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