2024/04/27
防災・危機管理ニュース
退職手続きを本人に代わって行うサービスが急拡大している。新興企業アルバトロス(東京)の「退職代行モームリ」は、4月の利用者数が新卒者を中心に26日時点で約1200人に到達。3月の約700人を大きく上回り、単月の過去最高を記録した。認知度も上がり、最近では退職の申し出をすんなり受け入れる企業が増えたという。長期休暇の後に利用が増える傾向があり、同社はゴールデンウイーク(GW)明けに依頼が殺到するのではないかと予想する。
「正社員に応募したのに、入社したら契約社員だった」「退職届を出したら破られた」。アルバトロスの谷本慎二代表取締役によると、退職理由は20~30代の若年層なら入社前に伝えられた業務や契約内容との違い、それよりも上の世代はパワハラが多い。利用者の約6割を若年層が占めるが、中には70代の利用実績もあり、谷本氏は「若年層だけのサービスではない」と話す。
退職代行は有給消化の申請も含め、すべての手続きを代行するため、利用者は上司らとのやりとりが一切生じない。勤め先は有名な大手企業も少なくないが、直属の上司がオーナーや社長というケースが多い中小企業の割合が高い。谷本氏は、その理由を「退職を認めなかったり、先延ばしにされたりするためだ」と分析する。
実際に利用した経験のある男性(36)は「人間関係が濃密な小さい会社ほどメリットがある」と語る。以前勤務していた電気工事関係の会社は知人が社長を務めていた。長時間労働の強要や暴言をきっかけに退社を決断したが、「辞める人には給与を払わない」とも言われ、交渉が困難だと感じて利用を決めた。
退職代行業の草分け、EXIT(東京)の岡崎雄一郎代表取締役は「利用者は『ダサい』と評価されがちだが、辞める労力をアウトソース(委託)しているだけだという認識に変われば、利用者はより増える」と予測する。代行サービスの今後について、谷本氏は「使われたくない企業も増えているはず。それが抑止力になり、企業の体質改善につながればいい」と話した。
〔写真説明〕問い合わせに応じる「退職代行モームリ」のスタッフ=18日、東京都大田区
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 退職
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
情報セキュリティーは個人のリスク目線では通用しない
学生時代からパソコンを使いこなしてきた人が新入社員に多くいる昨今ですが、当然、個人と会社ではセキュリティーの重心が違います。また、人事異動で新たに着任した社員も、業務が変われば情報資産との関わり方が変わり、以前と同じ意識でのぞめばよいとは限りません。新年度にあたり、情報セキュリティーのルールは特に徹底したいところです。
2024/05/10
-
-
サイバーインシデント対応の基本知識と準備
本勉強会では、一般的な情報セキュリティインシデントとサイバーインシデントの違いや、その初動対応について事前に準備すべきことと合わせて、自社で手軽に訓練・演習を実施するためのポイントを解説します。2024年5月8日開催。
2024/05/09
-
-
炎上の原因はSNS上の振る舞いのみにあらず
新年度から仲間に加わった新入社員は「デジタルネイティブ」と呼ばれ、友人とSNS で交流するのがあたり前の世代です。が、学生時代と違い、社会人になれば取り巻く環境が変わり、自身の立場も変わる。うかつな投稿が「炎上」につながるケースは少なくありません。新人研修のテーマにSNSリスクを組み込むなどして教育を徹底したいところです。
2024/05/08
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年5月7日配信アーカイブ】
【5月7日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:令和5年度企業の事業継続及び防災に関する実態調査
2024/05/07
-
-
-
家庭の防災は企業BCPとつながっている
昨今は社員の自主防災力向上に努めている企業も多いでしょう。この時期は災害時のルール周知に余念がないと思いますが、ポイントとして提案したいのが、家庭の防災と企業BCP のつながりをしっかり伝えること。「家庭と会社は別」と考えがちですが、家庭の防災力を上げないと企業の事業継続力も上がりません。メッセージを出すよいタイミングです。
2024/05/02
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方