2024/04/15
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】イランは在シリア大使館空爆に対する報復としてのイスラエル攻撃を「成功」と大々的に宣伝している。イスラエル軍は、発射されたミサイルや無人機の「99%」を迎撃し、大きな被害は出なかったと強調。だが、イランは攻撃能力を誇示し、イスラエルへの敵対姿勢を内外に強くアピールしている。
イラン最高指導者ハメネイ師のX(旧ツイッター)には14日、聖地エルサレム旧市街にあるイスラム教の「岩のドーム」上空を通過するミサイルのような動画とともに、「(エルサレムは)イスラム教徒の手に渡り、イスラム世界はパレスチナ解放を祝うことになる」というイスラエル公用語のヘブライ語のメッセージが投稿された。ライシ大統領も「シオニスト(イスラエル)に忘れ難い教訓を与えた」と攻撃をたたえた。
国営メディアでも、精鋭「革命防衛隊」幹部らが見守る中、夜空へミサイルが発射された瞬間の映像が報じられた。「歴史的な報復行為で、敵の拠点に大打撃を加えた」などと主張し、国威発揚を図る狙いも透ける。
ただ、イスラエルの報復攻撃には警戒を強める。イランでは国産中心の防空システムが強固とは言えず、イスラエルが同じようにミサイルや無人機で大規模攻撃を加えれば、迎撃能力で対処し切れない可能性が高い。
イスラエルは過去にもイラン国内でサイバー攻撃や、核施設を狙った破壊工作を何度も仕掛けたとされ、軍事力の差は歴然だ。革命防衛隊のサラミ司令官は14日、「シオニストがわれわれの市民や権益を攻撃すれば反撃する」とけん制したが、抑止効果は未知数だ。
〔写真説明〕14日、エルサレム旧市街にある「岩のドーム」上空で撮影された飛翔(ひしょう)体(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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