2022/08/25
事例から学ぶ
トヨタグループの中核ボデーメーカーとして製品の開発・生産に取り組むトヨタ車体株式会社。愛知県刈谷市に本社を持ち、南海トラフ巨大地震などの発生を見据えて事業継続の取り組みを強化している。同社が特に力を入れているのが社員の意識改革。現在では生産部門を中心に、かなりのレベルまで災害に対する意識は高まっているとするが、その道のりは平坦ではなかった。東日本大震災後、いかにBCPを全社に浸透させてきたのか。2016 年から同社の災害対策を立て直してきた経営企画部経営企画室参事の舟橋隆氏に聞いた。
記事中資料提供:トヨタ車体
トヨタ車体
愛知県刈谷市
※本記事は月刊BCPリーダーズvol.25(2022年4月号)に掲載したものです。
❶初動の混乱期を乗り切れる体制
・復旧のプロセスを考えていく中で、究極的に必要なのは初動の混乱期を、人命を失うことなく円滑に乗り切ることと考え、従業員意識を高めている
❷工場長などトップを巻き込む
・従業員の意識が高まるターニングポイントは、訓練に工場長にも参加してもらったこと。トップを中心にギアが入ったという
❸リアリティ+αの被害想定
・従業員をやる気にさせるポイントとして、リアリティのある前提・被害想定としつつも、参加者の想定を超えた事象を織り込むことを挙げる
Q.まず、トヨタ車体の事業内容について教えてください。どのような車種のどのような部品をつくっているのでしょうか?
トヨタ車のうち、ヴォクシー・ノア、アルファード・ヴェルファイア、グランエース、ランドクルーザー300・LX・70、ハイエース、コースターなどを製造しています。部品の製造もしていますが、国内工場では、車全体の組み立てまでを行っています。工場は国内に5拠点あり、このほかグループ会社も11 社あります。
海外では、中国、台湾、マレーシア、アメリカに各1社、タイに2社、インドネシアに3社、現地法人があり、バンパーやドアトリムなどの大型樹脂部品の製造や、ドア、フードなど板金部品を主に製造しています。
国内では、愛知県西三河地域が生産の基盤で、南海トラフ地震の想定は最大6強の地域を含むため、特に地震・津波対策には神経を尖らせています。
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