2018/03/14
防災・危機管理ニュース

厚生労働省は12日、「薬事・食品衛生審議会 器具容器包装・乳肉水産食品合同部会」を開催。食品衛生法にもとづく厚労省令「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」に乳児用液体ミルクの製造や販売基準を追加した改正案が有識者で了承された。今後食品安全委員会で食品健康影響評価を受けたのち、問題がなければ改正後に施行され、液体ミルクの国内製造が可能となる。今後各乳製品メーカーが商品開発に取りかかる見込み。
今回了承された規格基準案によると、成分規格・製造基準・保存基準・容器包装ついては乳飲料と同等の基準を採用した。一方、粉ミルクと同様、使用する乳やそれ以外の添加物の成分や製造方法などについては、各メーカーが厚生労働大臣の安全性審査を受ける必要がある。
液体ミルクは粉ミルクと違い湯が不要で容器から直接飲めることから、災害時も与えやすいメリットがある。現在でも輸入は可能で、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震ではフィンランドから支援物資として提供され、その有用性が知られるようになった。ただ価格が粉ミルクの倍以上で賞味期限が半年程度であること、少子化が進む中でメーカーが新たな投資をして採算がとれるのかといった問題があり、今後国内メーカーの商品化の動向が注目される。
行政では、東京都の小池百合子知事がかねてから液体ミルクの国内製造・販売を要望しており、国に基準作りを要望しつつ、メーカーが参入しやすいよう、首都圏の都県と政令指定都市で構成する九都県市で液体ミルクの備蓄を行うことで市場を作るよう、他自治体に呼びかけてきた経緯がある。東京都福祉保健局では「ほ乳びんや湯が不要なことから災害時の有用性、外出時などの育児の負担減の視点から期待できる。国の動向を見守りたい」としている。
■乳幼児用液体ミルクの規格基準案について、厚労省がまとめた資料はこちら
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000197331.pdf
(了)
リスク対策.com:峰田 慎二
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方