アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
春といえば引越のシーズンでもありますね。みなさまの身近に引越される方はいらっしゃいますか?そんな方を見つけたら、今こそ、「家具の転倒防止」のチャンスであることを力説していただければと思います!
引越はものを減らせるチャンスでもあるので、家具を置かない選択もできます。家具を置くとしても、転倒防止を実施しやすいですからね!で、家具の転倒防止対策としては、以下の記事を書きました。
■賃貸住宅の家具転倒防止対策に希望が!港区の先進的な取り組みをご紹介します‼行政担当者も必見!実は条例も規則も変更していません!
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2873
賃貸の場合は、原状回復義務を負っているので、家具の固定ができなくて困っているという問題がありました。退去時傷をつけないとうたっている商品でも万が一のことを考えると設置できないと思われる方が多数です。
でも、クーラーのネジ穴は賃貸物件であっても開けることができます。クーラーは常識なので、通常損耗とされているからです。であれば、防災も常識だよね?壁の傷より命が大事では?ということを、東京都港区にお伝えしたところ、区営物件など区に関連する物件について、入居のしおりを変えただけで、防災のための家具の固定は原状回復義務が免除されることになりました。
この港区の政策発表からもうすぐ1年になりますが、残念ながら他の自治体で実施したよーというお声を聞きません。何度も言いますが、入居のしおりを変えるだけなんですよ♪予算0円で実施しているので、とってもハードルが低いのです。港区の入居のしおりに書かれている文章は以下です。
「工作物設置許可申請書を提出し、工作物設置許可を受けることで、家具転倒防止器具設置による傷穴については退去時に現状に復することを免除します」
他地域でも、是非実施していただきたいと願っています。さらに最近、港区で講演させていただいてこの政策の効果を実感したのでご報告します。
港区では子育て支援センターを始め、各部署で何回か講演させていただいているのですが、政策実施後、高輪地区総合支所協働推進課で講演させていただいた時の反響は明らかに違いました!(当社比です(笑)正式な調査をどなたかして欲しい〜)
子育て世代むけの講演を実施した際の感想で、「家具の転倒防止を今すぐ実施したい」というご意見は、少なめです。賃貸である可能性が高い世代でもあるので、退去時にはがせるシールタイプ転倒防止器具を紹介しても「本当にうまく剥がせるのか、家に帰って確かめないと」と思ってしまうと、感想に「すぐ実施します」とは書けませんよね。そして後でやろうということになると、日々の忙しさが待っているので、先延ばしにされてしまうのもうなずけます。
ところが、港区の講演会場では違いました。「すぐ実施します」のお声を聞くことができました。転倒防止の話題でこれだけ盛り上がるものなのだなと違いを感じました。
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