機器認証のほか、国際対応も検討する

経済産業省と総務省は11日、「IoTセキュリティワーキンググループ(WG)」の第1回会合を開催。両省の関係者、有識者のほか通信やシステムといった業界関係者が出席した。あらゆるものがインターネットにつながるIoTの安全性向上へ、2016年に両省でまとめた「IoTセキュリティガイドラインver1.0」の普及啓発のほか、機器の認証制度など具体的な対策を実装していく。

IHS Technologyの推定では 2016年度時点でのIoT機器は173.3億個。2021年度には2倍強の348.7億個にまで増加する見通し。一方でIoT機器の安全対策は難しく、ウェブカメラやルーターといった機器がウィルスに侵されDDoS攻撃の踏み台になるケースなども増えており、セキュリティ対策は喫緊の課題となっている。

2016年のIoTセキュリティガイドラインでは、リスクを認識し守るべきものを守れる設計やセキュアな接続や初期設定への注意などネットワーク上の対策といったことを指針としてまとめた。また総務省は10月、「IoTセキュリティ総合対策」を公表。機器への認証制度導入や脆弱性調査の徹底、情報開示と共有の推進などが盛り込まれた。

WGでは欧米を中心に海外の動向も踏まえ、具体的な安全性の向上や国際的な相互承認の仕組み構築をまとめていく。安全性の向上では機器認証制度のほか、防衛や自動車、スマートホームといったサプライチェーンごとに対策を強化。サプライチェーン経由で感染が拡大するといった事態を防ぐ。

この日は経産省から日本は情報セキュリティの意思決定に経営層がかかわるのが米国の3分の2程度にとどまるほか、CSIRTの設置が米国の半分以下、欧州の3分の2程度にとどまることが指摘された。経営者への注意喚起やサイバーセキュリティの投資を呼びかける。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介