2017/07/26
ニュープロダクツ
三井住友建設は6月16日、国立大学法人東京海洋大学と共同で、船舶から得られる電源を電気自動車で内陸部へ輸送する手段を提供する電源供給システム「陸・海電力コネクティングシステム」を開発したと発表した。災害などによる大規模停電時、非常用(保安用)電源を持たない病院や避難所、自治体建物などに電力を供給することができる。
電気自動車バッテリーから供給できる電灯電源を動力電源に変換する「交流電源安定装置」を備え、停電時でもエレベーターを稼働させることが可能。電気自動車を積極的に導入している横須賀市の協力を得て、横須賀市役所久里浜行政センターで試験導入し、電気自動車のバッテリーによるエレベーターの稼働実証試験を実施した。エレベーター積載量を適切にコントロールすることで、大型電動機の始動電流を抑制し、省エネルギーで稼働できることを確認した。
同社は、今回のエレベーター稼働実証実験によって得た稼働中の消費電力のデータや、今後予定している都内の高層賃貸住宅(6階以上)でのエレベーター稼働実証実験により、ノウハウの蓄積を行って、省エネルギーで効率的に稼働する電動機容量や稼働回数など実用化に向けた検討を進める。また、非常時に電気自動車や船舶を確保する運用体制や、船舶電源から電気自動車への電力供給を含む電源供給サービスの検討も進めていく、とする。
■ニュースリリースはこちら
http://www.smcon.co.jp/2017/061619387/
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:横田 和子
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/17
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方