紀伊国氏はイスラエル企業の訓練システムも使ったアカデミーの説明を行った

大日本印刷は21日、記者説明会を開催。サイバー攻撃の対策要員を養成する「サイバーナレッジアカデミー」に産業制御系関係者向けの新コースを開設すると発表した。コース名は「サイバー・インシデントレスポンス・マネージメントコース(CIRM)産業制御系・基礎」。開催期間は9月25~30日で、価格は1人当たり60万円(税抜き)。

同社のアカデミーでは協業するイスラエル国営企業IAI(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)社の訓練システムを活用。全体の7割を、受講生向けに標的型メールを送り、対処を学ぶといった実践型演習としている。これまで約100名が受講したという。

工場など産業制御システムはこれまで外部ネットワークから遮断されていることも多かったが情報化が進み遠隔監視などネットワークとの接続や、機器のメンテナンスやソフトウェア更新時に外部機器と接続するといったサイバー攻撃リスクが増している。この新コースでは工場やインフラに従事する人向けをターゲットとし、仮想環境に構築した模擬プラントで学んでいく。

大日本印刷ではアカデミー以外にコンサルティングやソリューション提供といった企業向けサイバーセキュリティ事業に注力している。同社グループでアカデミー運営を手掛ける株式会社サイバーナレッジアカデミー・セキュリティコンサルティング部の紀伊国(きいくに)啓氏は「サイバー攻撃はマウスクリックひとつで実行可能で、費用も5000円くらいからでできる」と脅威を説明。アカデミー関連事業で2020年度までに30億円の売り上げをめざす。今秋にはホワイトハッカーコースの開設も予定している。また企業の要望を受けたオーダーメイドのコースも受け付けている。

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(了)

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