配布されるクラッカー(画像提供:東京都)

東京都は5日、2月末に賞味期限を迎える都の防災備蓄食品の一般向け配布について発表した。クラッカー約10万食を都民や都内の社会福祉法人など団体に無料で配布する。

都が進める食品ロスの削減への取組の一環として、これまで廃棄していた賞味期限を迎える防災備蓄食品の配布を決めた。個人向けには恩賜上野動物園で28日および2月4日に計3万食、多摩動物公園で2月5日に約5000食など、都の施設やイベント会場などで1人5食を上限に配布する。

団体は都内の社会福祉法人やNPO、自治会などが対象。ホームページで申し込みを受け付けている。賞味期限内に食べきり廃棄しないこと、5箱(1箱あたり70食)以上での申し込みのほか、着払いによる送付もしくは都庁(新宿区)か都多摩環境事務所(立川市)に引き取りに来ることが条件。転売は禁止となっている。

2月末に賞味期限切れを迎えるクラッカーは約27万食で、残りの17万食についても、都はフードバンクや子ども食堂の運営者など、まとまった量を引き取る団体を探しているという。4月にも約40万食の防災備蓄食品が賞味期限切れを迎えるため、現在引き取り先を調整している。

都では約530万食を備蓄しており、内訳はクラッカーとショートブレッドが約100万食、アルファ化米約430万食。年間50万食以上の賞味期限切れが発生している。2015年度は約54万食の期限切れ食品のうち、地域防災訓練用として市区町村に約4万2000食寄付、家畜飼料原料に約3万食を活用した以外は廃棄している。

都では環境局を中心に、賞味期限切れ間近の防災備蓄食品を活用できる団体のリスト化を進める。小池百合子知事は6日の会見で「防災備蓄食品を有効活用できるシステムを構築したい」と説明した。

■団体配布受付フォーム(東京都環境局)
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/form/bichiku.php

(了)