アメリカ流、核攻撃時に生き延びるには
肝心なのは、何が起こってもあきらめないこと
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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外務省は昨日(4月11日)、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮が新たな段階の脅威に入ったとして、隣国の韓国への渡航者などを対象に、朝鮮半島情勢に注意するよう呼びかけるスポット情報を発表しました。
■韓国:韓国に滞在・渡航される方へのお知らせ~情報への注意と「たびレジ」・在留届についてのお願い~(外務省海外安全ホームページ)
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2017C074.html
「第3次世界大戦はすでに始まっている」と一部でいわれるように、米ロの緊張も再び高まっています。
考えたくはありませんが、日本に再び核が落とされた場合、私たちはどのように行動しなければいけないのでしょうか。
■「2016年の北朝鮮によるミサイル発射について」(防衛省HPより)
http://www.mod.go.jp/j/approach/surround/pdf/dprk_bm_20160909.pdf
■「アーウィン・レドルナー: 核攻撃を生き残る方法」(TED 日本語版)
https://www.ted.com/talks/irwin_redlener_warns_of_nuclear_terrorism?language=ja
■今年9月5日の北朝鮮ミサイル発射映像を公表
North Korea Releases Video of Latest Missile Launch (出典:YouTube/WSJ VIDEO)
今回はWikihowから、米国流の「核攻撃時に生き延びるには」を翻訳してみました。WikiHowはMediaWiki.orgが編集している、アメリカでは学校教材でも使われているほどよく活用されているWebメディアです。
アメリカでは冷戦時代から核シェルターがいたる所に存在するため、核シェルターの活用が大前提になっていますが、それでも着弾後、爆発の衝撃波・爆風による爆傷・熱風・火災旋風・放射線での被爆等による被害減少させる為に地下(地下鉄、地下街、地下道、地下階)など、日本にいても実施できるポイントがあります。
読者のみなさんもぜひ一度、真剣に核攻撃について考えてみてはいかがでしょうか?
また、アメリカに出張に行かれる方も多いと思います。アメリカ政府ではFEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)が核攻撃を想定した教育を子供から大人まで継続して行っており、シェルターを活用した訓練も実施されています。
■核攻撃に対する具体的マニュアル(FEMA)
https://www.fema.gov/media-library-data/20130726-1919-25045-0892/communicating_in_the_immediate_aftermath__final_june_2013_508_ok.pdf
■一般市民用国民安全教育パンフレット (FEMA:139ページ以降を参照)
https://www.fema.gov/pdf/areyouready/areyouready_full.pdf
アメリカや海外に出張に行った際に核攻撃を受ける、または、核戦争に関係する国々に支社があり社員が日本から出張する企業等、このような事態は、可能性は低いですがゼロではありません。その時にどのような行動をとらなければいけないか、一度考えてみることも必要かと思います。
J-ALERT(全国瞬時警報システム)弾道ミサイル発射情報音(5:30から)(出典:YouTube)
肝心なのは、何が起こってもあきらめないことです。
サニー・カミヤ
以下、出典はすべてWikiHowです。
http://www.wikihow.com/Survive-a-Nuclear-Attack
20年以上前に冷戦が終わり、核の影や放射性物質の脅威の下で暮らしたことがないという人は多くなりました。しかし、いまだ核攻撃は、非常に現実的な脅威です。世界の政治情勢は非常に不安定で、この20年間人の特性というものは何も変わっていません。
「人類の歴史で一番鳴り響きつづけている音は、戦争の太鼓を打ち鳴らす音だ」という言葉があります。核兵器が存在する限り、その核兵器が使用される危険性も常にあるのです。
核戦争で生き延びることができるのでしょうか。その答えとして、ある人は「生き延びる事ができる」と言い、他の人は「できない」と答えています。現代の熱核反応式核爆弾は、1945年に広島、長崎に投下された原子爆弾の何百倍の威力を持っています。
何千もあるこの核爆弾が同時に爆発したらどうなるのか、私達はしっかりと理解できてはいません。特に人口が密集する地区では、生き延びようとすることは無駄な努力にも思えます。しかし、生き延びることができる人というのは、そのような事態に精神的かつ合理的に備えができた人達で、戦略的意義のない中心部からは離れた場所に住む人達なのでしょう。
パート1: 事前に準備する
1. 計画をたててください。
核攻撃されたら、危険をおかして外に食料を探しに出るのは安全ではありません。シェルター内に最低でも48時間以上、できるだけ長くとどまるべきです。食料を備蓄しておくと、気持ちにも余裕が生まれますし、生き延びるため、他の事に集中できるようになります。
2. 保存食を備蓄しておきましょう。
保存食は、数年保存できます。倉庫に保管しておき、核攻撃後に生き延びるための食糧にします。炭水化物を多く含むものを選びましょう。炭水化物はカロリーも高く、元気を出せます。涼しく乾燥した場所に保管しておいてください。
・白米
・麦
・豆
・砂糖
・はちみつ
・オーツ
・パスタ
・粉ミルク
・ドライフルーツ、ドライ野菜
・少しずつ備蓄しましょう。買い物に出かけた際、1-2個余計に買って、備蓄にまわしましょう。
・最終的には、数か月分の食糧備蓄になるようにしましょう。
・缶詰め用に缶切りを用意しておきましょう。
3. 水を備蓄してください。
食品用のプラスチック容器に、水を保存しておくことを検討してください。容器を塩素溶液で洗浄し、フィルターにかけて蒸留した水を入れます。
・1人あたり、1日、1ガロン(約3.8リットル)の備蓄を目指してください。
・攻撃された時に、水を浄化できるよう、基本的な家庭用漂白剤とヨウ化カリウム(ルゴール液)を準備しておいてください。
4. 通信機器を準備しておいてください。
情報を常に入手すること、そしてあなたのいる場所を他の人に知らせることが極めて重要です。以下を準備しておきましょう。
・ラジオ: クランクを回して発電するタイプ、もしくはソーラー電池タイプのものを探してください。バッテリータイプのものを使うときは、予備の電池を準備しておいてください。NOAA気象ラジオの導入も検討してください。このラジオは、緊急情報を24時間放送しています。
・ホイッスル: 助けを呼ぶ時に使う事ができます。
・自分の携帯電話: 携帯電話サービスが使えるかどうかは不明ですが、もし、サービスが利用できるようであれば、携帯があると便利です。あなたの携帯に合ったソーラー充電器も併せて準備しておきましょう。
5. 医薬品を備蓄しておいてください。
核攻撃に遭って、怪我をした場合、生死を大きくわけるのは、医薬品があるかどうかです。以下を準備しておきましょう。
・基本的な救急キット: セットになったものが購入できます。もしくは、自分でキットを作っても良いでしょう。消毒済みガーゼ、包帯、抗生剤入り軟膏、ゴム手袋、はさみ、ピンセット、体温計とブランケットが必要です。
・救急処置方法の手引き書: 赤十字などの機関が発効しているものを買いましょう。もしくは、インターネットで情報をあつめたものを印刷してまとめても良いでしょう。包帯の巻き方、心肺蘇生の仕方、ショック状態への対応、やけどの手当てなどを知っておいてください。
・処方された医薬品: 毎日、特定の薬を飲んでいる場合は、その薬を緊急用に備蓄しておきましょう。
6. その他の備品を揃えておきましょう。
以下のような緊急事態用の準備キットを揃えておきましょう。
・懐中電灯と電池
・防塵マスク
・プラスチック・シートとダクト・テープ
・ごみ袋、プラスチック・ケーブル・タイ、体を清潔に保つためのウェットシート
・ガスや水などの用役を止めるためのレンチやペンチ
7. ニュースを注意して見ておく。
敵国から、いきなり核攻撃されることは考えにくいです。国同士の政治的な関係が悪化してから、核攻撃がおこなわれると考えられます。
核兵器を保有している国同士で、従来の武器による戦争が起こった場合、もし、その戦争が早い段階で終結しなければ、核戦争へとエスカレートしていく恐れがあります。
更に、一部の地域に限られていた核攻撃が、エスカレートして、他の地域でも、全面的な核戦争がはじまる恐れもあります。
多くの国で、攻撃の緊急度を示す、評価システムが導入されています。例えば、アメリカやカナダでは、DEFCON(DEFense:防衛/CONdition:体制)レベルというものがあることを知っておくとよいでしょう。
8. 核攻撃の応酬が懸念される場合、リスクを評価し、避難することを検討してください。
避難することが不可能な場合は、少なくとも自分用に作るシェルターをどのようなものにするかを見極めてください。以下のようなターゲットになりうる場所から、どのくらいの距離があるかを把握し、適切な計画をたててください。
・飛行場や海軍基地など、特に核爆弾爆撃機、弾道ミサイル積載潜水艦、大陸間弾道ミサイル用地下格納庫などがある場所。核攻撃の応酬が限定的であったとしても、これらの場所は必ず、攻撃対象となります。
・商港や10,000フィート(3,048メートル)以上の長さを持つ滑走路。核攻撃の応酬が限定的であっても、これらの場所は攻撃対象となる確率が高く、全面的な核攻撃になると、必ず攻撃対象となります。
・行政の中心地。限定的な核攻撃でも、攻撃対象となる確率が高く、全面的な核攻撃になると、必ず攻撃対象となります。
・産業が盛んな大都市や人口の多い中心地。全面的な核攻撃の場合、攻撃対象となる確率が高いです。
9. 核爆弾のタイプについて知っておいてください。
・核分裂型爆弾(原子爆弾)が、一番基本的な核爆弾で、他の武器に組み込まれているタイプです。爆弾の威力は、中性子で重原子核(プルトニウムとウラン)を分裂されることから生まれます。ウランまたはプルトニウムが分裂すると、それぞれの原子は、膨大なエネルギーと、中性子を生み出します。娘中性子は、非常に速い核連鎖反応を引き起こします。核分裂型爆弾は、今までに唯一仕様されたタイプの核爆弾です。このタイプの核爆弾は、テロリストによって使用される確率が一番高いものです。
・核融合爆弾(水素爆弾)は、核分裂型爆弾のスパークプラグのとてつもない熱を使って、重水素とトリチウム(水素の同位体)を圧縮、加熱し、膨大なエネルギーを発生させます。核融合爆弾は、熱核兵器とも呼ばれています。それは、重水素とトリチウムを起爆させるためには、高い温度にすることが必要だからです。このタイプの爆弾は、長崎や広島を破壊した爆弾より何百倍も威力があります。
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