雄大な桜島の風景(※画像はイメージです)

編集部注:「リスク対策.com」本誌2013年1月25日号(Vol.35)掲載の連載を、Web記事として再掲したものです。(2016年7月13日)

日常的に降灰被害を経験している鹿児島市では、どのような対策を講じているのか。市の担当者に市民生活も含めた降灰対策について、Q&Aをまとめてもらった。

Q1  降灰に備えて、事業所や家庭で何か事前に準備しているものはあるか?

A 竹ぼうきや角シャベルは個々で用意している。鹿児島市では宅地用として、各家庭に「克灰袋」を配布している。降灰を収集した「克灰袋」は指定の収集場所に搬出すると、収集車が回収して、廃棄物処分場等に埋め立てられる。「克灰袋」は市が作成し、市民や商店街などに無料で配布している。克灰袋がない場合はレジ袋を二重にして出すこともできる。一袋当たり20㎏まで入れられるが、宅地内降灰指定置場まで持っていかなくてはならないため、〜12㎏程度が適当。10 店舗などは手押し式の降灰除去機を所持しているところもあるし、敷地が広い事業所は小型の降灰除去機なども効果的かもしれない。どちらも一般に市販されている。

Q2 降灰時に、市民が外出する時には、どのような服装で、どのような対策をしているか?

A 突然の降灰時には、ハンカチなどで口元を覆ったり、日傘などをさす人もいる。屋内

に退避する人もいる。外出する際は、女性はマスクを着用したり、傘をさす人もいるが、男性ではあまり見られない。降灰対策としてゴーグルやレインコートを着用している人は、ほとんど見たことがない。

Q3 ライフラインの影響について、送電線の断線・ショートによる停電や、浄水場・下水道への影響は?

A 南岳山頂火口の活動が活発な時期には降灰が原因で電線が切れる被害が発生している。水道施設については、ろ過池の水に降灰があり、濁度が上ったために取水を停止する状況(長期間続いた場合は給水停止になることもある)があるので、水道施設に覆蓋を設置する計画がある。下水道が詰まるような状況はないが、降灰が側溝に溜まり、流れなくなることがあるので、道路管理者が定期的に側溝の降灰を除去している。