リノベーションで断熱エコハウスに(撮影:新建ハウジング 松本めぐみ)

雪の中なのにぽかぽか

今回は2019年初めての記事になります。みなさま本年もよろしくお願いいたします。さっそくですが、タイトル、いかがでしょう?あおりすぎ?(笑)

でもね。そうとも言えないのです。

昨年、札幌のある家に取材に行きました。その家は、北海道胆振東部地震で停電した際にも、これがもし冬だとしても大丈夫だな、と思えるほどだったとか。なぜ大丈夫なのかというと、断熱エコハウスとしてリノベーションされたお家だからです。通常、北海道の家は、断熱材は当たり前のように入っていますが、ここは、北海道の標準以上に、断熱効率をあげているお家なのです。

取材の日、北海道では冒頭の写真のように雪が積もっていました。

ところが部屋の中はぽかぽか。

エコハウスを手がけた伊藤菜衣子氏(右)と筆者(撮影:新建ハウジング 松本めぐみ)

暖房だけで暖かくしている家は、足元が寒いので、床暖房も入れたりしますよね。でも、床暖房もなし。なのに、マイナス10℃まで下がる札幌の朝で、室温は16℃なんですって。うちより暖かいかも!って、みなさん驚かれたのではないでしょうか?上着も、厚手のルームシューズもいらないのです!それだけでなく、私が座っているのは窓際です。なのに寒くないんですよ!

というのも、家の中で足元が寒くなってしまうのは、床が断熱されていないことや、コールドドラフト現象が影響してします。冬の避難所の体育館でも起こりがちなのですが、窓で冷やされた冷気が下に下がってくるのです。そうすると、暖かい空気は温度差でどんどん上に行ってしまいます。そのため、いくら暖めても足元は寒いということになります。

断熱を意識していない家では、暖房の3分の1が窓から逃げていると言われています。ここの窓は3重ガラスです。そして、アルミサッシではなく樹脂サッシです。熱伝導率のよすぎるアルミサッシは、すぐに結露することからわかるように、外からの冷気を簡単に伝えてしまいます。空気中の水蒸気が冷たいアルミサッシに触れるからこそ、あの水滴になっているのです。どれだけ窓が冷たいか、あの水滴をみたらわかるってことですよね。この窓は高断熱なので、結露防止なんてそもそも不要です。だから窓際でも寒くないし、コールドドラフト現象も起こらないし、床も断熱されているから、床暖房なしでも足元も暖かいのですね。

それだけでなく、この窓は夏と冬の太陽の角度を計算して、冬だけ太陽で家の中を暖められるようにしています。だから、窓際に行くと、ごろごろ日向ぼっこする猫になりたい誘惑にかられます。それくらい太陽の恵みをしっかり受けている窓なので、窓際があったかい!って事になってしまう訳です。

すごいですね。断熱性能のよい家は、エコであるということがよくわかります。そしてだからこそ、災害時に強いということがわかります。