2024/04/23
防災・危機管理ニュース
東京、大阪、愛知の3都府県では2040年、熱中症の救急搬送者数が13~19年平均と比較して倍増するとの予測を、名古屋工業大の平田晃正教授(医用工学)らの共同研究グループがまとめた。地球温暖化や高齢化が要因で、搬送者の増加による医療逼迫(ひっぱく)が懸念されるとしている。
論文は23日までにオランダの学術誌に掲載された。産業革命前と比べ、40年に世界の平均気温が2度上昇するという国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」のシナリオに基づき、海洋研究開発機構が3都府県の気温をシミュレーション。平田教授らが開発した熱中症搬送者数の予測式と組み合わせ、算出した。
その結果、40年の7~8月における1日当たりの搬送者数は、東京で132.9人、大阪で105.3人、愛知で105.4人。13~19年の平均と比較し、1.8~2.0倍となった。
東京では、65歳以上の高齢者数が約316万人(19年)から約400万人に増加すると見込まれる。また、海洋機構のシミュレーションでは、東京の7~8月の平均気温は27.1度(13~19年)から1.6度上昇すると想定した。
熱中症搬送者の半数超を占める高齢者は、発汗などの体温調節機能が低下することから重症化率が高い。平田教授は「熱中症は防げる病気。地球温暖化が進む中で、対策を取ることが重要だ」と話している。
〔写真説明〕強い日差しの中、日傘を差して歩く人たち=2023年7月、東京都中央区
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 熱中症
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方