中古車販売大手ビッグモーター(東京)の店舗前で街路樹が枯死するなどした問題で、警視庁捜査1課は4日、器物損壊容疑で、同社の兼重宏一前副社長(35)と都内9店舗の当時の店長ら計13人を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
 同課は前副社長について、直接的な指示はなかったものの、店舗清掃状況を確認する「環境整備点検」の強化や人事評価を通じ、街路樹伐採などに影響を与えた可能性があると判断。検察に起訴の判断を委ねる「相当処分」の意見を付けた。
 捜査関係者によると、他に書類送検されたのは、多摩店の当時の店長(41)や従業員ら5人と、環八世田谷店、練馬店、立川店の当時の店長や従業員7人。
 前副社長と多摩店の当時の店長ら6人は昨年7月、草刈り機で同店前の街路樹を伐採した疑いが持たれている。
 他の3店舗の当時の店長ら7人は2021年2月~23年7月上旬、除草剤を散布して街路樹を枯死させた疑いがあるという。
 前副社長は店舗を訪れるなど環境整備点検を主導する立場で、点検事項に「街路樹の剪定(せんてい)」という項目を追加したとされる。点検時に「外周」の項目を「不適」と評価した店舗について、伐採後の点検で「適」とするなどしていたという。 
〔写真説明〕中古車販売大手のビッグモーター多摩店=2023年9月、東京都多摩市

(ニュース提供元:時事通信社)