北陸電力志賀原発(石川県志賀町)で観測された能登半島地震の揺れの加速度が、一部で想定をわずかに上回っていたことが分かった。10日に開かれた原子力規制委員会の定例会合で、事務局の原子力規制庁が明らかにした。安全上問題はないというが、同社が規制庁に報告したのは9日で、自ら公表はしておらず、関係自治体にも説明していなかった。
 規制庁によると、想定を上回ったのは1、2号機の基礎部分で観測された、東西方向の0.47秒周期の揺れ。大きさを示す加速度(ガル)は、1号機が957ガル(想定は918ガル)、2号機は871ガル(同846ガル)だった。原子炉建屋などの重要施設が影響を受けやすい周期ではないという。
 地震の揺れは、周期の長さによって影響を受ける建物や設備が異なり、原発審査では周期ごとに最大の加速度を想定している。
 同社は10日夜の会見で「暫定的な評価による速報値であり、事業者単独ではなく、規制側の判断も含めてお知らせしたほうがいいと考えた」と釈明。「施設の安全性に関わる確認が終わった段階で、公表や報告をさせていただく」とした。 

(ニュース提供元:時事通信社)