2023/11/30
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】米オープンAIによる対話型AI(人工知能)「チャットGPT」の一般公開から30日で1年。米巨大IT企業や新興企業が文章や画像を自動で作る生成AIサービスを急拡大させている。利用者や企業がカスタマイズ(改変)する取り組みもあり、サービスはさらに多様化し、人々の生活に浸透することになりそうだ。
「指示や知識を組み込んでチャットGPTを改変でき、他者にも公開できる」。オープンAIの共同創業者サム・アルトマン氏は11月6日、開発者会議で新機能「GPTs」を発表した。月間利用者1億人のチャットGPTの収益基盤強化が狙いだ。
GPTsを使い、インタビューの書き起こしの要約に特化した対話型AIを作ってみる。「事実と感情表現を明確に区別する」と事前設定し文書ファイルを添付すると、話し手の考えなのか、事実を説明しているのかを明示し要約してくれた。カスタマイズ版は「GPTストア」で配信できるようにする。利用者数に応じて収益を分配し、アプリを充実させる計画だ。
マイクロソフト(MS)は、オープンAIの基盤技術を検索や業務用ソフトウエアに搭載。クラウドサービスの顧客企業が、基盤技術を使って自社アプリの開発や機能改善もできるようにした。
MSとクラウド領域で競合するグーグルも、サービス展開を加速。対話型AI「バード」を公開した他、その基盤技術を文書作成ソフトにも組み込んだ。さらに顧客企業のシステムとも連携できるようにしている。
アマゾン・ドット・コム傘下で、クラウド事業でトップシェアを誇るアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、メタ(旧フェイスブック)に加え、アンソロピックなど新興企業の基盤技術を豊富に取りそろえる。アダム・セリプスキー最高経営責任者(CEO)は「一つの技術だけでなく、迅速に切り替えができる必要がある」とアピールする。
基盤技術の開発には、巨大ITや新興企業が参入。巨大ITのクラウドサービスを通じ、この技術にアクセスする構図になっている。あるベンチャーキャピタル幹部は「基盤技術は既に(競争が激しく利益を生みにくい)レッドオーシャンだ」と指摘した。一方で、小売りやゲームソフトだけでなく、医療や教育など応用範囲が広く、今後、アプリの開発が活発になると見通した。
〔写真説明〕チャットGPTのアイコン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方